FEEDが考える高齢化社会における訪問歯科診療の重要性

人口の減少と共に高齢化社会・超高齢化社会という道筋をたどる日本において、2000年4月にスタートした介護保険法の施行に伴い、私たちの歯科業界でも在宅介護や在宅診療も注目を浴びるようになりました。全国に訪問歯科に取り組む歯科医師が増えてきている状況において、その重要性と今後の展望を一緒に考察してみましょう。

■訪問歯科とは? 

訪問歯科は歯科医院などの医療機関ではなく、歯科医師や歯科衛生士が患者の自宅または施設に直接訪問し、歯科治療や口腔ケアなどの歯科診療を提供します。
訪問歯科内の定義は下記となります。

  • ・突発的な疾患が起こり病院などへ行けない事情がある場合に、患者の元へ訪問し応急的な診療・処置をすることを『往診』
  • ・患者の求めに応じて定期的に訪問して診察や処置をすることを『訪問診療』

昨今は介護保険制度の居宅療養管理指導の要諦に合わせて、『往診』『在宅診療』も、『訪問歯科』という一つのくくりで呼ばれることもあります。

■訪問歯科診療の対象者は?

非常に社会的貢献度も高く有用なものではあるものの、訪問歯科診療は誰でも受けられるというわけではありません。訪問歯科診療の対象者は『通院困難な方』と決められています。

  • ▼具体的には下記の方が対象となります
  • ・介護認定を受けている方
  • ・介護老人保健施設や介護老人福祉施設に入所している方
  • ・障がいがあり身体が不自由な方、病気を持っている方
  • ・歯科、口腔外科がない病院に入院している方

上記のように自力通院が難しい方が訪問歯科診療の対象となり、その対象となる方の生活の質を高める為に、最後まで寄り添うことができる歯科診療における唯一の形態といえます。

■訪問歯科診療の重要性

訪問歯科診療は地域包括支援システムはじめ、地域医療を取り巻く環境において是非私たち歯科も積極的に取り組んでいきたい仕組みです。地域医療を担う一翼として、また地域貢献の取り組みとして今こそ訪問歯科を初めてみるのはいかがでしょうか。


 医療費の高騰、さらにこの度の新型コロナによる経済情勢の悪化を背景に、高齢者医療は転換期を向かえています。国民ひとりひとりの口腔状態が良くなれば、間違いなく社会的な医療コストは軽減されます。訪問診療に対する社会的なニーズの高まりというだけではなく、社会貢献あるいは社会的責任という側面からみても、訪問歯科診療の普及は歯科関係者にとって急務となっております。

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